ここ数年でアウトドアの楽しさに多くの人が目覚め、野外でお料理を楽しむ方が増えています。SNSやコミック、ユーチューバーなどの影響もあって、グルメでお洒落なキャンプご飯も話題に。
中でも人気なのが、アルミ製の飯ごう「メスティン」を使ったレシピ。アルミの高い熱伝導率を活かし、炊飯に加えて蒸し料理や炒め物なども楽しめます。また、メスティンへ食材と調味料を入れて、固形燃料の火が消えたら料理が完成している「自動調理」なる方法も。今回は、身近な食材で作ることができるメスティン料理のレシピ10選を紹介します。

メスティン料理の基本となる「白ご飯の炊き方」

メスティンを手に入れたら、まずは基本となる白ご飯を炊いて使い方を覚えるのがオススメです。

1.浸水する：水の量はリベットを目安に

米1合を研ぎ、水200ml で30分ほど吸水させます。ノーマルサイズの1.5合炊きメスティンの場合、内側のリベット（丸い金具）の直径部分が水200mlの目安です。

2.炊飯する：固形燃料なら自動炊飯が可能 固形燃料（もしくはバーナー）に火をつけ、20分ほど放置します。吹きこぼれても蓋はあけず、そのままに。

3.蒸らす：保温＆上下を逆さまに
時間が経って火が消えた（止めた）後で保温のため布に包み、上下をひっくり返して水分を全体にいきわたらせ、10分蒸らせばできあがり。

メスティン定番の「ご飯もの」にチャレンジ

上でご紹介したご飯の炊き方を参考にして、キャンプ飯の定番「ご飯もの」を作ってみましょう。美味しいお焦げができるのも、メスティンならではの醍醐味です。

■サバ缶を使った炊き込みご飯

【材料】
・米：1合
・水：200ml
・サバの水煮缶：1缶
・醤油：小さじ1
・塩：少々
・生姜：1かけら

【作り方】
1.米を洗い、30分ほど浸水させる。生姜は皮をむいて千切りに。
2.一度水を切ってサバの水煮を汁ごと入れ、水が合計200mlになるよう水を加える。醤油小さじ1と塩少々、生姜の千切りを入れる。

3. 20分を目安に炊飯する。メスティンから「チリチリ」という音が聞こえ始めたら、焦げ初めのサインなので火から外す。

4.布に包んで上下をひっくり返し、10分蒸らして完成。


【アレンジ】
缶詰の種類は、味噌や醤油味付きのサバ、サンマ、イカの煮つけ、焼鳥、牡蠣のオイル漬、オイルサーディンなどでも美味しく炊きあがります。

■シーフードパエリア

【材料】
・無洗米：1合
・水：200ml
・オリーブオイル：大さじ1
・チューブのニンニク：2cm
・パエリアの素：1合分
・冷凍シーフードミックス：お好みで
・パプリカ（赤、黄）：各1/4
・レモン、ピーマン輪切り：適量

【作り方】
1.洗い物を楽にしたい場合はクッキングシートを敷く。直接調理してもOK。
2.チューブのニンニク適量と無洗米1合をオリーブオイルで炒め、お米をオイルコーティングする。
3.パエリアの素1合分と水200mlを入れて混ぜ、解凍したシーフードミックス、1センチ四方に切ったパプリカを乗せて20分炊飯する。

⇒具材が多い場合、蓋を開けて水分が残っていたら、炊飯時間を伸ばす。
4.布に包んで上下をひっくり返し、10分蒸らして完成。ピーマン、レモンを添える。

■チャーハン風炊き込みご飯

【作り方】
1.お米は洗ってから30分ほど浸水させる。チャーシュー、玉ねぎ、にんじん、ピーマンをみじん切りにする。卵は溶いておく。
2.お米、水、1で切った具材、鶏ガラスープの素、醤油を入れて20分炊飯。

3.火が消えたら蓋を開けて溶き卵を入れ（やけどに注意）、すぐに蓋をして10分蒸らす。※上下はひっくり返さない
4.卵をほぐしながら全体を混ぜ、塩コショウで味を調える。

初心者さんにオススメ！失敗が少ない「パスタ＆麺類」

アウトドアでも大人気のパスタ＆麺類。ただし、炊事場が無いキャンプ場や河川敷などで、現地に茹で汁を捨てることはマナー違反です。事前に必ずWebサイトを確認し、炊事場がない場合では茹で汁ごと使えるレシピを楽しみましょう。

■ツナとトマトのペンネ

【材料】
・ペンネ（早ゆでタイプ）：90g
・トマトジュース：200ml（1パック）
・ツナ缶：1缶
・コンソメ：小さじ1
・オリーブオイル：小さじ1
・粉チーズ：お好みで
・塩、コショウ：適量

【作り方】
1.トマトジュース、ツナ、コンソメ、オリーブオイルを入れて火にかける。
2.沸騰したらペンネを入れ、途中水を加えながら指定時間より少し長めに茹でる。

3.茹で上がったら塩コショウで味を調え、お好みで粉チーズをかける。


■塩ラーメンのカルボナーラ

【材料】
・インスタントの袋麺（塩味）：1袋
・牛乳：200ml
・水：100ml
・ベーコン：適量
・ほうれん草：1株
・卵：1個（白身と黄身を分けておく）
・とろけるチーズ：お好みで
・黒コショウ：適量
・オリーブオイル：適量

【作り方】
1.オリーブオイルでベーコンをカリカリに焼く。
2.牛乳と水を入れ、付属の粉末スープを溶かしながら沸騰させる。
⇒沸騰するとすぐ吹きこぼれるので、なるべく目を離さないように
3.袋に入れたまま麺を半分に折り、メスティンに入れて2分ほど茹でる。

4.麵がほぐれてきたらほうれん草、よく溶いた卵白、チーズを入れて混ぜ、30秒ほどで火を止める。
5.中央に卵黄を乗せ、お好みで黒コショウを振る。


■餃子の皮で作るラザニア

【材料】
・餃子の皮：12～16枚ほど
・ミートソース：1袋（野菜多めなら1人前、ソース多めなら2人前）
・お好みの野菜：ナス、ほうれん草、マッシュルームを使用
・とろけるスライスチーズ：6枚
・水：適量

【作り方】
1.クッキングシートを敷き、ナスとミートソース1袋のうち1/3を入れる
2.餃子の皮4枚を並べてからスプーンで水を含ませ、上にとろけるスライスチーズを2枚並べる

3.ミートソース1/3、餃子の皮4枚、チーズ2枚を並べ、火の通りやすい野菜を入れる

⇒餃子の皮、チーズ、野菜の順番は適当で大丈夫です。 4.最後にミートソース1/3とチーズを乗せ、蓋をして弱火で8分焼く。 ⇒ミートソースや餃子の皮は焦げやすいので、常に弱火で。

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■燻製

【作り方】
1.メスティン本体と蓋にアルミホイルを敷き、アルミカップに燻製チップを入れ、蒸し網を置き、食材を並べる。

⇒内側全体にアルミホイルを被せることで、メスティンの変色を防げます。

2.バーナーの上にバーナーパット（火を広範囲の熱に変える網）をセッティングし、メスティンを乗せる。
⇒火へ直接置くと空焚き状態となり、メスティンに穴が開くことも。

3.バーナーや固形燃料に火をつけ、10分ほどで煙が出てくるので、そこから15分ほど燻し、色が付いたら完成。

【アレンジ】
燻製は加熱するわけではないので、「火を通さなくても食べられる食材」で行う。
おすすめ食材：うずら卵水煮（表面をよく拭く）、チーズ、ソーセージ、ナッツ、ベーコン、ちくわ、スチームホタテなど

■蒸し野菜チーズフォンデュ

【材料】
・カマンベールチーズ：丸ごと1個
・野菜やソーセージなど：お好みで

【作り方】
1.カマンベールチーズに十字の切り込みを入れ、周りをホイルで包む。
2.蒸し網を敷き、底に1cm程度の水を張り、カマンベールチーズと野菜を入れる。
3.蓋をして10～12分蒸し、野菜に火が通ったら完成。

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■焼きリンゴ

【材料】
・りんご：1個
・バター：8g（個包装1つ分）×2
・砂糖：小さじ4
・シナモンパウダーやガラムマサラなどのスパイス：適量

【作り方】
1.メスティンに蒸し網を置いて水を張り、その上にアルミホイルを敷く。
2.リンゴは横から半分に切って、芯をスプーンでくりぬく。
3.くりぬいた穴に砂糖小さじ2、バター8gをそれぞれ入れる。

4.蓋をして20分ほど加熱し、お好みでスパイスを振りかける。


■チョコとバナナのパウンドケーキ

【材料】
・ホットケーキミックス：150g
・牛乳：100ml
・卵：1個
・砂糖：大さじ1（お好みで調整）
・サラダ油もしくはチューブバター：大さじ1（なくてもOK）
・バナナ：半分～1本
・製菓用チョコチップ：お好みで

【作り方】
1.メスティンの本体と蓋にクッキングシートを敷く。
⇒キッチンペーパーを濡らしてアルミホイルで包み、メスティンとクッキングシートの間に挟むと、高い焦げつき防止効果が期待できます（今回は底のみ使用）。

2.ビニール袋に牛乳、卵、砂糖、サラダ油を入れてよく混ぜ、ホットケーキミックス、チョコチップを加えて更に混ぜる。
3.ビニール袋の底をハサミで切って生地をメスティンへ流し入れ、バナナを入れて蓋をする。

⇒このタイミングで、はみ出たクッキングシートをハサミで切り落とします。
4.ごく弱火で10分焼き、ひっくり返して5分、更にひっくり返して5分焼く。
5.布やタオルに包んで10分蒸らし、竹串を刺して生地が付かなければ完成。


メスティン調理の醍醐味ともいえるのが、料理が完成して蓋を開ける瞬間です。美味しくできたときはもちろん、万が一焦げてしまっても、それはきっといい思い出になってくれます。最近では100円ショップでも殆どの道具を揃えることができますので、ぜひメスティン料理に挑戦してみてくださいね。