シェフのコメント

●調理した料理の特徴
バラ肉を塩漬けにした後で燻製シートを使って自家製ベーコンにし、スペイン風のケークサレに加えました。旨みを凝縮させたバラ肉の脂が生地に染み込み、豚の風味をしっかり感じられる一品です。生地の中には豚肉と相性のいい松の実を加えています。ナッツの油分と豚の旨みを濃厚に感じながら、ケーキ生地に加えることでコース料理の前半にお出ししてもさっぱりと召し上がっていただけるように工夫しました。南米でよく食べられている、豚肉の皮部分をカリカリのスナック状にしたチチャローネスを上に添えて、食感のアクセントにしています。

●南ぬ豚についての感想
今回はバラ肉を塩漬けにしてから調理しましたが、バラ肉自体は脂がしつこくなく、甘味と旨みを強く感じることができました。肉質自体は柔らかいにも関わらず、牛肉のように素材本来の味がしっかりしているので、とてもバランスがいい肉だと思います。このバラ肉なら煮込み料理にしても良いかもしれません。ロースももちろん旨みが強く、脂とともに食べるとジューシーで、まろやかな口当たりが特徴と感じました。他の部位では、赤身の多いランプを焼いてみたり、ウデを使ってソーセージに仕立ててみたりなど、「南ぬ豚」の旨みを生かした料理を試してみたいと思いました。