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青果店「ちょっとどころじゃないです」店長さんに教わる、夏野菜の見分け方と保存方法、おいしい食べ方

野菜

トウモロコシ、トマト、キュウリ、ナスなど、太陽をたっぷり浴びた夏野菜の美味しい季節になりました。これらの野菜は季節を問わずスーパーで買うこともできますが、旬を迎えた野菜は味が濃く、香りや旨みもたっぷり!トマトやキュウリは家庭菜園で育てている方も多く、食べきれないほどおすそ分けしてもらう…なんてことも。

今回は冬野菜編に続き、神戸・大安亭市場の近くにある「ちょっとどころじゃないです」というユニークな名前の青果店を訪ね、店主の加古さんに夏野菜の保存方法や調理のコツ、そしてちょっと珍しい夏野菜について話を聞きました。

加古祐樹さん (脱力系八百屋ちょっとどころじゃないです)

播磨・神戸エリアを中心に、毎日採れたてのお野菜を農家さんから直接集めて販売する青果店。定番野菜はもちろん珍しい品種も手頃な価格帯で扱っていて、神戸・阪神エリアのレストランからも人気。
個性的な店名の由来は「誕生日に友人へプレゼントしたサボテンに付けた名前」。店名に悩んでいたところ友人からこの名前を勧められ、他の青果店と差別化できることに加え、画数も良かったので決めたのだそう。

住所 神戸市中央区吾妻通り5-1-16
営業時間 9時頃~19時頃
定休日 水曜日
Instagram https://www.instagram.com/chottodocoro/

美味しい夏野菜の見分け方、フレッシュさを長持ちさせる保存方法

・トマト

【新鮮なトマトの見分け方】
鮮やかな緑色のヘタがピンと反っていて、匂いを嗅ぐとトマトの香りをしっかり感じられるものがおすすめ。表皮にツヤがあり、ヘタ側にある白い点々(気孔)が目立たないものは旨みが強いとされています。フルーツトマトの場合、お尻側にスターラインと呼ばれる白い線があるものは甘味を感じやすくなります。

【保存方法】
袋から取り出してヘタを下にして置き、新聞紙をかけて常温のまま追熟させます。既に完熟している場合は、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室へ。長期保存する場合は、ヘタと硬い芯をくり抜いてフリーザーバッグに入れ、丸ごと冷凍がおすすめ。煮込み料理に使えます。

カラフルなミニトマトは目にも楽しい!

【おすすめの食べ方】
トマトの食感や果汁を感じるには、カットせず丸かじりが一番!味が薄い場合は、塩とオリーブオイルをつけて。


・ナス
【新鮮なナスの見分け方】
新鮮なものは切り口が緑色で、ヘタのトゲがチクチクしています。表皮にツヤがあり、キズの少ないものを選びましょう。ヘタの下をチェックして、表皮の色が白から紫へグラデーションになっているナスは成長が早い=みずみずしく柔らかいのでおすすめです。

色も形もさまざま。左より白ナス、ビステッカ、絹むらさき。

【保存方法】
1つずつラップに包み、直接野菜室の冷気が当たらない場所に立てて保存します。冷やし過ぎると低温障害をおこすので注意。

【おすすめの食べ方】
最近市場にも出回りだした白ナスは、果肉が緻密で皮もやわらかく、灰汁も少な目。厚めにスライスし、たっぷりの油でステーキ風に焼くとトロトロに。イタリアの丸ナス「ビステッカ」は輪切りにし、ピザソースとチーズを乗せて焼くのがおすすめ。漬物や水ナスサラダなど、ナスを生で食べるのは日本独自の食文化なようで、海外では加熱調理が主流です。

白ナスのステーキ。醤油を少し垂らしていただきました。


・キュウリ
【新鮮なキュウリの見分け方】
表面のイボがチクチクと鋭くなっているのが新鮮な証。表皮にツヤがあり、濃い緑のものが美味しいでしょう。

しっかりしたイボをもつ中国系の四葉(スーヨー)きゅうり。薄皮で歯切れよく、味が濃いのが特徴。

【保存方法】
追熟しないよう、購入後は新聞紙に包み速やかに野菜室へ。ナス同様に冷やしすぎないようにします。

【おすすめの食べ方】
夏野菜カレーに入れると煮崩れせず、キュウリの食感がしっかり残るのでおすすめ。フレンチのシェフは、太めのキュウリを煮込み料理に使っているようです。


・トウモロコシ
【新鮮なトウモロコシの見分け方】
皮の緑が濃く、切り口は白く、実が隙間なく詰まっているものを。ヒゲは茶色・黒褐色で湿っているものがおすすめです。ヒゲの本数=実の数でもあるので、フサフサと生えているものを選びましょう。

白いトウモロコシ「ピュアホワイト」は甘くてジューシー!

【保存方法】
皮無しはラップに包み、皮付きはむかずにそのまま、野菜室で立てて保存します。ただし、「トウモロコシは収穫前に湯を沸かしておけ」と言われるほど、鮮度が命。採れたてが一番甘く、鮮度と糖度が比例するため、タケノコ同様なるべく早く調理するのがおすすめ。長期保存する場合は、加熱調理してから実を包丁で削り落とし、フリーザーバッグへ薄く平らに入れて冷凍庫へ。

【おすすめの食べ方】
皮をむいた状態で丸ごと電子レンジに入れ、500Wで5分加熱します。冷蔵庫で冷やしてから食べると、甘みをしっかり感じられます。塩茹でする場合は皮ごと鍋に入れると、蒸し効果で早く茹で上がります。芯から美味しい出汁がとれるので、茹で汁はスープにアレンジしましょう。

食卓が楽しくなる!ちょっと珍しい夏のお野菜

・ジャンボピーマン

肉厚で甘みがあるので、生食がおすすめ。半分に切って種を取り、氷水に浸して冷蔵庫で一晩寝かすと、おつまみにピッタリな「パリパリピーマン」の完成です。

・バターナッツカボチャ

名前から受ける印象とは異なり、日本カボチャの仲間であるバターナッツカボチャ。初夏に収穫し常温で追熟させることで、ねっとりした甘さが楽しめます。ヘタが枯れているものは追熟が進んでいる証。おすすめの食べ方は、加熱して裏ごしし、ポタージュスープやスイーツに使うなど。西洋カボチャより皮が薄めなので、そのまま輪切りにしてBBQの焼き野菜にしても。

・おかひじき

野生種は砂浜に近い環境で育つおかひじき。サッと塩ゆでしておひたしにしたり、ワカメと一緒にポン酢で和えたり、ナムルにして食べたりするのがおすすめです。

・ツルムラサキ

すこしぬめりがあるツルムラサキはサッと茹でて、おひたしや胡麻和えに。ナムルにして作り置きのおかずにしても。

筆者はトウモロコシを帰宅してすぐ電子レンジで加熱した後に冷蔵庫で冷やしてみたのですが、実のプチプチ感とジューシーな甘さに1本完食してしまいました。そしてじっくり焼いた白ナスステーキは、トロットロで驚きの美味しさでした。みなさんも栄養価が高い旬野菜をたっぷり食べて、猛暑を乗り切ってくださいね!

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